« 頭痛 | トップページ | 続いていますウォーキング »

2007年3月 4日 (日)

母の入院

05hanahina 81歳の母が腹部の手術をするために、初めて入院した。ちょっとした騒動もあったけれど、今、私はほっとしている。

 「高齢者は入院をきっかけに寝たきりや認知症になりやすいので、手術した翌日から歩いていただきます。お母さんがボケないように毎日お見舞いに来て下さい」と、入院前にお医者さんから再三注意を受けた。

 母は個室へ入ることを希望していたが、ひとりになる時間を心配した先生は、4人部屋を勧めた。しかし入院当日母は「夜中にトイレに何度も起きて、同室の人に迷惑をかけるので個室にします」と、予約してあった相部屋を個室に変更した。

 手術の翌日、集中治療室から部屋に戻った日に事件が起きた。だれもいない時、母は吐き気をもよおし、トイレに行こうとベットから起き上がり、1、2歩歩いたのである。母の体には点滴、心電図、導尿のみならずお腹や背中にも管が入っていたので、たちまち身動きが取れなくなった。

 死に物狂いでベットに戻った母は、ナースコールをやっと押した。看護師さんたちのあまりの忙しさにナースコールを遠慮したようであるが、また「手術の翌日から歩いて下さい」との先生の忠告に、歩かなければと必死だったに違いない。とんでもない患者の行動報告を受けていた先生は、回診の時「どこまで歩いたの?」と母に優しく質問し、私の方を向いてニヤリとなさった。

休日の早朝、母は病院から電話をかけてきて「抜糸をしたら退院していいとのこと。午前中に抜糸するので、午後には退院する」と伝えてきた。抜糸は平日だろうと予想していた私たちはあわてふためいた。 

 見舞い客で毎日賑わい、看護師さんたちを笑わせていた母は入院生活を楽しんでいるものと思っていたが「1日だってよけいに病院にいたくない」と言い切った。
ボケずに無事退院し、自分の考えをはっきり持ち手術2日目に歩いた81歳の母は、私に重くのしかかっていた老いの不安を軽くしてくれた。

 

|

« 頭痛 | トップページ | 続いていますウォーキング »

コメント

watari41さん
コメントありがとうございます。

ICUから戻ったばかりの母は、点滴がついているのはわかっていても、他にもたくさんの管がついていたのが認識できていなかったのかも知れません。
それにしても、起き上がるのも相当の痛みがあったと思うのですが、痛み止めが効いていたのでしょうね。

今、想像するとザワザワとします。
気丈夫さを、見習いたいと思います。

投稿: ようこ | 2007年3月 6日 (火) 午後 09時06分

 元気に退院されたようでよかったですね。それにしても凄い精神力ですね。
 私が入院していた3年前にも、同じ病室にお年寄りがいて、やはり歩こうとして管をはずしてしまい、大騒ぎしたことを思い出しました。大正生まれの方は気丈ですね。

投稿: watari41 | 2007年3月 6日 (火) 午後 06時19分

akiyamaさん、こんにちわ。
「向田邦子さんを思い出された」とは、ほめすぎ。

akiyamaさんのお母様も、見習いたいお年よりですね。気力のあるお年寄りが増えてくれると、私は元気をいただけます。

子供たちに交代で介護してもらえる親は最高に幸せですね。
夫の両親の時は、私1人で思い出したくないほど大変だったので、今度は、兄弟みんなで協力しあっています。

投稿: ようこ | 2007年3月 5日 (月) 午後 05時36分

 手術の話題は、とかく暗くて、苦労の多い場合がほとんどです。
 しかし今回は、戦中派女性の強さをみせてくれました。それに、きょうの文章、文体の爽やかなこと……私は、名エッセイストの「向田邦子」を思い出しました。

 私の母は、81歳のとき、雨天の渋谷駅ホームで転び左大腿骨折で入院しました。3ヶ月入院の予定を自助努力で2ヶ月で退院しました。
 その院内生活の奮闘記にはDR、看護婦、入院者を驚かせました。もちろん、私たち子供は交代で介護補助にかよいました。私は、自慢の気圧指圧で施術しました。長さ20cm、厚さ5mmほどもあるステンレス補強鉄板が骨に食い込む痛さを堪えてトイレなど自力で行きました。
 心身ともに強い母も、父が97歳の正月、餅が咽喉に詰まり数日で亡くなったら気分が落ち込み、その翌年、自宅で枯れるように91歳自然死の大往生を遂げました。

 ようこさんも、私も親から、強い遺伝子を戴き、根性などを教えてもらっていますね……                 感謝合掌
 

投稿: akiyama | 2007年3月 5日 (月) 午前 06時28分

schmidtさん、piomioさん、コメントありがとうございます。

ボケずに、少しづつ体を動かしている母に感謝です。

投稿: ようこ | 2007年3月 4日 (日) 午後 10時55分

お母様、元気に退院されて良かったですね。
私も実家の両親のことが、だんだん心配になってきています。

投稿: piomio | 2007年3月 4日 (日) 午後 10時22分

 遠慮深くて、気丈な女性!いいお母さんですね。お大事にしてください。

投稿: schmidt | 2007年3月 4日 (日) 午後 09時54分

michikoさん、早速のコメントありがとうございます。
はい、私よりしっかりしている母です。といっても、雷と注射が怖い母で、背中にする痛み止めの注射が恐ろしいらしく、何度も背中に注射をしたくないと、先生に言っていました。

投稿: ようこ | 2007年3月 4日 (日) 午後 09時11分

しっかりされているお母様なのですね。
一人でベットから起き上がって歩かれようとされ、身動きが取れない現実にハッとされ必死になってベットに戻られた時、看護士さんが来られるまでどんなにか長く感じられたことでしょう。
大事にいたらず退院されて良かったですねぇ。

投稿: michiko | 2007年3月 4日 (日) 午後 09時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33418/14131893

この記事へのトラックバック一覧です: 母の入院:

« 頭痛 | トップページ | 続いていますウォーキング »