« 冷凍でお正月! | トップページ | 老齢基礎年金の繰上げ »

2009年2月 1日 (日)

天童荒太「悼む人」を読む

1月31日の仙台は、水分をたっぷり含んだ雪が、風にビュービュー吹き飛ばされ、一日中荒れた天気でした。雲は厚く、昼間でも部屋の中は薄暗かったので、灯りをつけていました。こんな日は、気持ちが落ち着いて、読書がとてもはかどるのです。

Itamuhito_2 天童荒太さんの「悼む人」を読みました。読み始めた3日前、プロローグに「誰に愛されたのでしょうか。誰を愛していたのでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか」と、主人公が会ったことのない故人の生前のことを訊ね、彼なりの「悼み(祈り)」をあげることに違和感を感じて「精神世界的な小説かしら、最後まで読めないかも知れない」と思いながら読んでいました。しかし、末期のがんに侵された主人公の母親が登場するあたりから、だんだん引き込まれてしまいました。

「天童さんは、よくこんな小説を書くことができたなあ」と、読み終えた今は感心しています。エピローグは特に良かった。読み終わってからも残る余韻、会ったことのない人の死でも「悼む」気持ちを持って欲しいと、読者に問いかけているようです。

「悼む人」は主人公の精神的な思いが濃いので、心身ともに元気な状態の時に読むのは、いいのですが、そうでない場合はチョットきつい内容かも知れません。

「誰に愛されたのでしょうか。誰を愛していたのでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか」との三つの問いに、今は違和感はありません。この三つの問いかけは、自分の身の回りの人の死を思う時、また会ったことのない人の死を知った時、それだけではなく、生きている自分への問いかけでもあります。

実は、芥川賞とか直木賞をとった作品を読んだのは久しぶりです。140回直木賞が決定する前に「悼む人」の新聞広告を見て「読んでみたいなあ」と思い、県立図書館にリクエストしたのです。するとすでに発注されていて、私は2番目に読むことができました。直木賞の発表があった今は、図書館の予約が殺到していて、こんなにタイムリーに読むことができなかったでしょう。ラッキー!

昨日は家で1日読書をしていたので、太陽が輝いていた今日の雪かき作業はとても心地良かったです。

|

« 冷凍でお正月! | トップページ | 老齢基礎年金の繰上げ »

コメント

michikoさん、コメントありがとうございます。

>難しそうな本のようですね。

最初はそう思ったのですが、読んでみると難しいというよりは、ちょっと考えさせられた本という気がします。

「誰に愛されたのでしょうか。誰を愛していたのでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか。」

「誰に愛されたのでしょうか」とは、永遠の愛ということではなく「たとえ、犯罪者でも両親やおばあちゃん友だちなどに、ひと時でも愛された経験があるのでしょうか」と、言っているようです。

「人に感謝されたことがあったでしょうか」とは、たとえば、笑顔で挨拶をして相手の気持ちをほぐしたとか、エレベーターで「お先にどうぞ」と言って、先をゆずったとか、そういうさりがない行動のことをも言っているようです。

>感謝されなくてもいい、人のお役に立つ生き方をしたい!人を愛したい!と考えています。

自分の生き方としたら、まさにおっしゃるとおりですね。人への親切は感謝していただくためにするわけではありませんものね。返却にまだ日数がたっぷりあるので、「悼む人」をもう1度読んでみて、もっと深く読んでみましょう。

投稿: ようこ | 2009年2月 3日 (火) 午前 09時40分

難しそうな本のようですね。
「誰に愛されたのでしょうか。誰を愛していたのでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか。」
フト自分のことを振り返ります。考えてしまいます。
感謝されなくてもいい、人のお役に立つ生き方をしたい!人を愛したい!と考えています。

投稿: michiko | 2009年2月 2日 (月) 午後 09時18分

クオリアさん、こんにちわ。

>良書は教えられることが多いですね 
本当にそうですね。
再読したくなるような本は、買った方がいいですね。
クオリアさんは、天童さんの「悼む」心をとうにお持ちのようです。

投稿: ようこ | 2009年2月 2日 (月) 午後 02時44分

良書は教えられることが多いですね 再読すると著者の言わんとすることの再発見をすることがあります。良書ご紹介ありがとうございました。

投稿: クオリア | 2009年2月 2日 (月) 午前 09時32分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 冷凍でお正月! | トップページ | 老齢基礎年金の繰上げ »