2009年8月14日 (金)

田辺聖子さんはカッコ好き!

田辺聖子さんの著書は、20代から読み始めて、かれこれ40年近く読み続けている。
聖子さんの本はユーモアに富んでいて、温かくて、リズムが良くて、スラスラ読めてしまう。

しかし、シリーズもの『楽老抄』のⅢとⅣを読んでいて、初めて気がついたことがある。やたら<>や〔〕が多いし、言葉の中に、カタカナを混ぜて表記したり、ルビも多い。

『楽老抄-そのときはそのとき』の108頁から引用 

<そやから、島唄、いうとんねん>
彼にいわせると、開聞岳より湯湾岳のほうが高くて立派だと、島人は言挙げして誇りたい。
しかしそれをいうと<やまとンちゅ>(内地人)は傷つき不愉快だろうとおもんぱかり、ただ、二つの山名を並べて、讃美するにとどめた、と。

言挙げ(ことあげ)  讃美(さんび)  ルビが振ってある。

会話の「」の代わりに<>を使っているようである。文中の説明的な部分には()を使っている。

今年の初めごろ、NHK番組「生活ほっとモーニング」に出られた時、田辺さんが大阪弁を使った著書について話していられた。
「地方には地方の言葉があるのだから、大阪の言葉で恋愛小説を書いたっていいでしょう。目で読んでいて、わかりやすくしかも、綺麗な大阪弁を使うことに工夫をしたのよ。耳で聞いて綺麗でも、文字にすると汚く見えるものは、表現を工夫したのよ」と、いうようなことを言っておられた。

大阪弁で恋愛小説を書かれたのは、田辺さんが最初だったとか。また、のりのいい大阪弁のリズムを表すのに、カタカナの使い方を工夫なさったようです。

109頁のカタカナをいれた言葉や半角ひらがなの使い方
エエのんよ
ちょびッとの才能
元気の出るコトバ、ないんですかっ

田辺さん独特の表記を気にして読むと、もう気になって読書がはかどらない。
1980年代に書かれた著書をパラパラめくってみると『楽老抄』ほどではないけれど、すでに<>や〔〕を使い始めていらっしゃる。しかしこの時代は、普通の「」がダンゼン多い。田辺聖子さんに「カギカッコ」の使い方をたずねてみたい!

オー!ここまで書いてパラパラと再読していたら、231頁に関西弁についての文章が載っていましたよ。

私が世に出た昭和四十年代というのは、本当に東京弁ばっかりの小説しかなかったんです。そんなおかしなことはない。日本中の人が、その土地その土地で生活しているのに、そのお国訛りが小説に出ないはずはないと思っていました。
でも、お国訛りのある方言の小説を、その土地以外の方に読んでいただいて、おもしろく思ってもらうには、もっと表記方法を勉強しないといけません。カタカナや平仮名にしたりとか。また、わかりにくい言葉は、まず普通の言葉を書いて、その横にルビの体裁で方言を添えるとか・・・何かいろいろ工夫したら、こんなにバラエティーに富んだ、おもしろい言葉がいっぱいある日本ですから、もっともっと小説が楽しめるとおもいますね。

ここの文章は、聞き手がいて答えているので、括弧は一般的な使い方をしてました。

8月14日、久しぶりに青空が出て、やっと梅雨が明けたような感じ。
仙台は32度、暑い、暑い。
しかし、夜になると、風はもう秋の気配。時間の過ぎるのハヤ~イ。
暑さに弱い私は、昼寝の時間が長くなるので、よけいに1日過ぎるのが早い!

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2006年5月13日 (土)

再び「バカの壁」

Photo現在200万部も売れているという養老孟司先生の「バカの壁」、2003年に「バカの壁」を読んだ時は、頁数が多いわけではないのに、読むのに時間がかかったという印象があった。

その後、ラジオやTV番組に出演なさる先生の話を何度か聞いているうちに「東大のえらい先生」と言う印象から「ゾウムシ取りに夢中になっている面白いオジサン」に変り「バカの壁」以外の本も読んでみたくなった。

テリー伊藤さんとの対談「オバサンとサムライ」は、わかりやすいし、笑える。日下公人さんとの対談「バカの壁をぶち壊せ」も、面白かった。対談以外のお勧めと言うと、やはり新潮社の「バカの壁」「死の壁」「超バカの壁」である。書かれた年に逆らうことになるが「超バカの壁」を、最初に読むのもいいような気がする。

今年の春、NHKの対談番組で養老先生は「壁シリーズは、新潮社の後藤さんが、私の話を聞き書きして、わかりやすくしてくれたお陰で、本が売れたのですよ。本が売れたお陰で、ゾウムシをいれる倉庫ができました」と話していられた。「夫婦関係は直角がいい」との「え~?」と思うような話も、私にとっては面白いと思えるようになっていた。

前に読んだ「バカの壁」の内容をもうとっくに忘れているので、最近また読み直してみた。当然のことだが、今回は前回の5倍ぐらいの速さで読めた。先生の本は15冊ぐらいは読んでいるが、やっと満腹になった感じがする。

養老先生の本は先生独自の哲学を「え~、どういうこと」と、考えさせられる点がいい。先生の哲学に触れ、生きることが少し楽になったような気がする。

ba-hirake

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2006年4月15日 (土)

朗読テープのプレゼント

Anzuhayashi72歳のSさんは、退職後、視野の範囲が狭くなる眼の病気になりました。数年前までは仙台で一人暮らしをなさっていらっしゃいましたが、病気が進み生活に不安を感じるようになってきたので、娘さんの住んでいる近所に、引っ越しました。

引越し前に「文字を書くのが大変になりましたので、これからは年賀状や手紙を失礼します」との、挨拶状が届いたので手紙を出すことを控えていました。その後どうしていらっしゃるか、ずっと気になっていたので、先日、思い切って手紙を書き、気に入っているエッセーの朗読テープを一緒に送りました。

1週間もするとSさんから、大きな文字で「とても嬉しかったです。これからも『これは』と思うテープがありましたら、よろしくお願いします」との返事と彼女が吹き込んだ童話の朗読テープが送られてきました。

Sさんは仙台にいらしたころ、朗読ボランティアをなさっていました。いただいたテープは、今よりもう少し目がしっかりしていたころに、孫娘さんのために吹き込んだものだそうです。朗読テープ「あんず林のどろぼう」を聞き始めると、杏の花の風景、泥棒や赤ちゃんの顔までもがはっきりと浮かんできました。優しくクリアーな声、情景が浮かぶような日本語、朗読と原本の素晴らしさに驚きました。

Sさんの話を聞きながら眠りにつくお孫さんはとても幸せそうです。多くの子供たちに、同じような幸せを経験して欲しいです。

○視覚障害者の方が朗読テープを借りられる所

宮城県立図書館    電話      022-377-8441
宮城県視覚障害者情報センター   022-234-4047
仙台メディアテーク(録音図書)    022-713-4484

ba-hirake

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2006年3月14日 (火)

ターシャの庭にときめいて

tasyaキムタクやヨンさまにもワクワクしない私が、91歳の絵本画家ターシャ・テューダーの創り出した庭にときめいてしまった。ターシャを知ったのは、2005年NHKテレビ番組「喜びは創りだすもの ターシャ・テューダー 四季の庭」である。

ターシャは、アメリカバーモント州の30万坪の敷地に住み、56歳の時から1人で、3千坪の土地を耕し、夢のような花園を作り上げた。ターシャのアーリーアメリカン的な生き方と庭の四季の移り変わりを写した映像には、ただうっとりするばかり。

庭には、クラブアップルの木、チューリップ、百薬、ジギタリス、ポピーにオールドローズなどなど、たくさんの綺麗な色の花が咲き乱れている。おとぎ話にでてくるような真っ白な孔雀鳩、コーギ犬と暮らし、春から夏は1日中庭仕事にいそしみ、秋は収穫した林檎からアップルサイダーを絞りだし、桃やラズベリーなどでジャムを作る。冬は温室の植物の世話や絵本を創作しているが、ターシャが描きだす花、動物、風景などの絵は優しさにあふれている。

番組は好評で何度か再放送されたが、私は今でもDVDに撮った番組を繰りかえし見て、夢のような世界に浸っている。まさに「はまってしまった」のである。最近「ターシャの庭」の写真集を買ったが、何度も眺めては、少女のようにうっとりし、中年を過ぎた私にも「はまる」ということがあるのかと、自分にまだ残っていた感性に驚いたりもしている。

歳をとると感動することが減ってきているように感じていたが、ターシャ・テューダーは、久々に「わくわく」を私に与えてくれた。

ba-hirake

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2005年8月31日 (水)

もう1度読みたい本「露の身ながら」

tuyunominagara  繰り返し読みたいと思える本に出合うことは、良き友に出合ったような気がして嬉しい。 この夏もグータラに過ごしてしまったけれど、・多田富雄さんと・柳澤桂子さんの往復書簡「露の身ながら」に出合えたことは収穫だった。  

 免疫学者多田富雄さんは、2001年に脳梗塞に襲われ、右半身の運動麻痺となった。言葉を話せない障害と嚥下障害まである多田さんが、左手で文字を入力して、ご自身の思いを書いていらっしゃる。

 遺伝学者柳澤桂子さんは30年以上難病に苦しめられ、やっと病名がわかり車椅子にも乗れるようになられたと喜んでいたら、さらに新たな病魔が彼女を襲っている。柳澤さんの本はなん冊か読んでいるので、彼女の病気のことや研究や趣味などについては多少知っていたが、往復書簡のお陰で、より彼女を知ることができたような気がする。

 お二人とも重度障害の身になられても、生きる望みを持ち、自分の趣味や思考を深めていらっしゃる。ともに病の良き理解者となっているので、心を開いた手紙のやり取りになっているのかと思う。ちょっと高尚すぎるが、音楽や能、世の中の問題などについてのお二人の意見も参考になる。

 重度の病でも質の高い暮しを続けていらっしゃるお二人の手紙は「まあ、いいじゃない」と、グータラ生活を続けている私にカツを入れてくれた。

「露の身ながら 往復書簡 いのちへの対話 」

著  者: 多田富雄 柳澤桂子
発行所 : 集英社 (ISBN:4-08-781265-0)
発行年月: 2004年04月
価  格: 1,470円

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